紐作り自然釉焼締陶器 作品名 『日本精神』(にほんせいしん)
日本人のやきものに対する感受性は、紐作り自然釉焼締陶器への思いが深い。その思いの深さは、日本の縄文土器の発明が四大文明発祥の地より古く、その土器を1万年以上作り続けた国は世界で日本以外ないと言うことからも解る。「窯」の技術が伝えられ燃焼温度が1250度を超え燃料の木灰が溶融剤となり、粘土中の長石を溶かした自然釉がかかるようになっても、中国のような人為的な青磁に代表される改良を行なわず、自然釉に慣れ親しみ続けた心、「ろくろ」に対しても、縄文土器と同じ紐づくりにこだわり続け、「用の観念」から離れた「精神的な審美の世界」で器を形作ってきたことからも、紐作り自然釉焼締陶器は『日本精神』そのものと言える。