新春早々今泉敬介先生が御風邪を引かれた為、新年会を兼ねた打合せが、月末近くになったことを良い事に合気道と読書三昧の日々、油断したつもりは無かったが、腹痛と足首を痛めてしまった。気を取り直して3月の白石での勉強会資料を作成して打合せに臨みました。
資料の一つとして平成22年10月25日付「産経新聞」『正論』文芸評論家新保祐司氏が「戦前の地下水を汲み保守再生を」とし、その中で「今日の日本人が本来の日本人に再生するために必要なものについて重要のヒントを与える書」として紹介しているのが『GHQ焚書図書開封4-「国体」論と現代』である。著者西尾幹二氏はあとがきで「私たちは予想外に戦前の「国体」論と同じ思想の波動の中にいる。「日本人論」というような形で与えられてきたものがそれである。また皇室に対する今の国民のさまざまな感情の動きの原型もほとんどすべて戦前の「国体」論のなかにある。」として「戦前に生まれ、戦後に通用してきた保守思想家の多くは、とかくに戦後的生き方を批判し、否定してきた。しかし案外、戦後的価値観で戦後を批判する域を出ていない例が多い。戦前の日本に立ち還っていない。」としている。そしてこの本の末尾に「焚書された国体論一覧」が付録としあるが、今泉定助先生の『國体講話』『國体精神と教育』も揚げられている。「戦前に立ち還」ることが戦前の思想のすべてを無差別に正しいとすることではないという点は、新保、西尾両氏も言うところであるが、戦前戦後を貫いている「日本精神」を「再生」するものとして今泉定助先生の皇道思想があると再確認できる資料と考える。