2017年1月25日水曜日

『古事記』から読み解く陶芸に宿る「日本精神」続き

その「心」を理解する鍵が『古事記』である。 『古事記』は今から1300年前の和銅5年(712年)に撰上された日本最古の史書で『古事記』を読むことは、日本の古代人の感性を知ることであり、これにより日本という国と日本人の「来し方、行く末=アイデンティティ」を知ると共に「日本精神」を考えることにつながる。『古事記』冒頭の一節は「天地初めてひらけし時、高天の原に成れる神の名は、天御中主神。」と神々が「成り」その後、神が自然を「生み」人を「生み」神と人の合一の思想を抱いていた事が読み取れる。欧米の思想は客観的相対的な存在思想で神は「在る」人は神が「創る」もので、宇宙創造神は始めから在るもの、神は宇宙の外に在るとし「存在」が思想の基礎となっている。神人合一の生成思想「成る」「生む」から始まる日本は宇宙発顕神を成ると言って「生成」が思想の基礎となっている。

2017年1月16日月曜日

『古事記』から読み解く陶芸に宿る「日本精神」

日本の縄文土器の発明は四大文明発祥の地より古く、その土器を1万年以上作り続けた国は世界で日本以外ないと言う。大陸から「窯」の技術が伝えられ燃焼温度が1250度を超え燃料の木灰が溶融剤となり、粘土中の長石を溶かした自然釉がかかるようになっても、中国のような人為的な青磁に代表される改良を行なわず、自然釉に慣れ親しみ続けた「心=日本精神」、同じように「ろくろ」に対しても、縄文土器と同じ紐づくりにこだわり続け、「用の観念」から離れた「精神的な審美の世界」で器を形作ってきた「心」からも、紐作り自然釉焼締陶器は「日本精神」そのものと言える。